GRIND (グラインド)

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Exclusive interview Vol.4
SHINYAKOZUKA

曖昧さが際立たせる
明確なアイデンティティ

Uncategorized 2019.03.24

GRIND WEBのインタビュー連載。
先日、渋谷にあるセレクトショップ〈吾亦紅〉にて行われたシンヤコヅカのインスタレーション。
グレーのペインティングが施された数々のプロダクト、そしてナイキのエアフォースワンや
リーバイスのデニムといった我々にとって馴染みの深いものもグレーを纏い、独特の空気感が空間に漂う。
デザイナーである小塚信哉さんは、プロダクトを通じてどんなことを伝えたいのか。東京コレクション中の
本インスタレーション、そしてブランドのアイデンティティを知ることでそれは明らかになっていく。

 
小塚信哉_2013年にセントマーチンズ ファッション学部メンズウェア学科卒業後、2015年にブランド〈SHINYAKOZUKA〉をスタート。2018年にはTokyo新人デザイナーファッション大賞プロ部門受賞。

ブランドのメインコンセプトは「ぼかす」「曖昧にする」。すべての物事に白黒はっきりつける必要性がなく、ひとつだけが正解ではない。ゆえに洋服に吹き込んだ想いや価値観の捉え方も人それぞれ。そんな問いかけを軸に、服作りを追求しているのが〈SHINYAKOZUKA〉のデザイナー、小塚信哉さんだ。彼のセオリーが生み出しているもの。それはきっと、これからのファッションに対する新たな可能性のひとつ。
「ここ数年、若い人たちと触れ合う機会が多くなってきました。時代がSNSの文化になってきて、ランウェイのルック1枚1枚をものすごい速さで見ているんです。その子たちと洋服の話をしたときに、やっぱりというか、ぼんやりとしか覚えていなかったりディテールを見ていなかったりします。興味あるものだけを調べられる時代で、画面に出てくるものを額面どおり受け止めている子が多いなという印象を受けたんです。悪く言ってしまうと、自分で考えずに白黒決めつけて受け取ってしまう時代。でも、ぼくは自分で考えて答えを出したものが、自分にとっての正解になるものだと思っていて。ぼくがブランドを通じてやりたいことは白黒はっきりと答えを出すのではなく、受け取る人たちに考えてもらえるような、きっかけとなるような服作りなんです」。

 

19A/W Looks of SHINYAKOZUKA

 

 
今回のコレクションでは白黒の間のグレーをキーカラーに、さまざまなものにペインティグが施されていた。
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Installation images

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18A/Wでは〈untitled〉、19S/Sでは〈WHOSE MEMORY_時間、関係性をぼかすこと〉をそれぞれテーマにしてきたSHINYAKOZUKA。19A/Wでは小塚さん自身がコンセプトをさらに奥深くまで踏み込み、突き詰めたクリエイションが広がる。
「19A/Wは〈EQUALITY/等価値〉をテーマにしています。プロダクトをグレーに塗ることによってすべてを一回フラットにして、見てくださる方たちがどう感じてくれるかを試みたコレクションになります。インスピレーション源は写真家の森山大道さんからきていて、森山さんも等価値という言葉をよく使っていらっしゃっていてそこからの影響もあります。インスタレーションに関してはブランドコンセプトにはじまり、洋服にペイントして等価値を生み出すことであったり、〈グレー〉というキーワードが強かったので空間もできるだけグレーで統一された場所がいいなと考えていました。その中で吾亦紅の地下スペースとブランドのムードがすごくフィットしていると思ったんです。吾亦紅にはブランド立ち上げ当初から取り扱って頂いていたこともありますし、ちょうど吾亦紅もブランドも5周年になるのでこのタイミングで何か面白いことを一緒にできたらと言っていただいたのがきっかけです。取り扱われている数少ない日本人デザイナーとして、吾亦紅に対して貢献できたらという思いもあります。ブランドのアイテム以外にも、いわゆるアイコニックなアイテムであり市民権を得ているエアフォースワン、リーバイスのジャケットなどを素材にピックして展示を行いました」。

 
物事はよく考えることによって発展していく。そう強く感じている小塚さんだからこそ、あえてコンセプトにした「ぼかす」「曖昧にする」。それはアイテムのディテールにも表現されている。
「例えばピーコートならアイテムには“PEA”としかつけていません。ジャケットなのかコートなのかは受け取る人が決めてもらっていいと思っていて。アイテム同士の差をなくすために本来ジャケットにしか使用しない袖の前振りを他アイテムで使用したりもしています」。
洋服という限られた中での表現。しかし同じアイテムであっても受け入れ方や解釈の仕方はいかようにも広がりをみせる。それがさまざまなアイデンティティとなり、新たなファッションへとつながっていく。曖昧さを明確に捉えたブランドの姿勢は、洋服が秘める可能性や表現力を引き上げてくれる。

 

19S/S Looks of SHINYAKOZUKA

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18A/W Looks of SHINYAKOZUKA

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INFORMATION

MATT.
MAIL: INFO@THE-MATT.COM
WEB: www.the-matt.com