GRIND (グラインド)

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Exclusive interview Vol.1 : shok1

ストリートアーティストのパイオニアの
過去から今へ紡ぐアートへの想い

ART EVENT INTERVIEW 2018.11.19

GRIND WEBにてインタビュー連載がスタート。国内外問わず、現在のトレンドを左右するキーパーソンをピックアップしていく。記念すべき第1回目は、ストリートアーテイストのパイオニアとしても知られるSHOK-1。本人の特徴的な作品であるレントゲンのX線をモチーフにしたアートワークについてや、作品に込める想いについて聞いた。

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去る10月に老舗シューズメーカーとのカプセルコレクションに加え、自身の日本での初個展も開催中のSHOK-1。80年代初頭のストリートシーンでのアートムーブメントをヨーロッパに広めたパイオニアでもあり、歴史を見てみてもキーパーソンのうちの1人であることはまぎれも無い事実だ。そんな彼のマインドを直接本人に会い彼自身に語ってもらった。
「もともと子供の頃からアートが好きだったんだ。昔はニューヨークと80sのカルチャーからインスパイアされていたんだけど、当時はインターネットがこんなに普及していなかったから、今みたいに情報に溢れていなかったんだ。本とかビデオから得れるほんの少しの量だったわけさ。でも、皆楽しんでそういったものを作って売ってたよ。スプレーペインティングしてた奴らも、楽しんでニューヨークのサブウェイとかにアートを残していたんだ。そういった昔やってきたことが俺の中で大きくなっていって、今の形になっている」。そう最初に語ってくれたSHOK-1。彼の作風は独自の世界観を形成していて、一目見れば認識することも容易である。その空気感を作るにあたって詳しく尋ねてみると、「10代の頃アートワークを作り始めた時、もはやカルト的な感覚でニューヨークのカルチャーを自分の作品に取り込んだんだ。どうやったらクリエイティブな人間になれるのか追い求めながらね。でも今気づいていることでオリジナルな存在になるには、他の人をコピーしちゃ意味ないんだ。今の時代の特に若い世代は、インターネットも要因の1つだけど、写真とかインスピレーションとか全てのものがタダって思っているんじゃないかと感じてしまう。誰か有名になれば、そのムーブメントに乗っかってコピーする。そういうことをしても自分自身は全然特別にはならなくて、むしろすごく悲しいことなんだ。俺は昔の考え方を引きずっているわけではないんだけど、アートにはもっと深い意味合いがあるって信じているんだ。毎日この考えをフォローするように試みているんだよ。だから、こういった想いが俺の作品にも反映されていることを願っているよ。これは凄く俺にとっては重要な事なんだ」。
彼のアートワークの特徴といえば、X線をモチーフにした作風だ。なぜこの表現方法になったのかについて彼は、「多分だけど、変わったバックグラウンドが関係していると思うんだ。学生時代は科学がメインだったんだけど、すごく変わった状況だったんだよ。だってアートへのめり込む一方で、科学にも向き合っていたわけだからね。特に科学と数学は、成績も良かったし親や学校のお陰もあって、応用化学の学位も取得したんだよ。でも長い間科学とアートっていう2つのことに触れていたのに、コネクトしようって考えなかったんだ。よくよく考えてみると、スプレーアートで使うスプレー缶も化学的なアイテムだろ?だからそういった気づきとかも含めて、化学的要素をアートに使うべきって考え出したのがきっかけなんだ。科学へのパッションは元々あったしね。それで確かX線をスプレーペインティングに用いるアイデアを、思いついた気がするな。でも言えることは、自然にこういった手法が生まれてペイントし始めたわけではなくて、長い間試行錯誤してきたんだ。それでやっと10年前に最初のX線を用いたアート作品を完成させたんだよ。とてもスペシャルな事だったんだ。だって初めて俺の人生の心臓部分でもある2つのパートが合わさった瞬間だったし、アイデアを実現させるのに25年っていう長い時間がかかっているからね。それに初めて完成させた時、誰にも理解されないものだって思ったんだ。なぜなら誰かの為にじゃなくて、自分のハートに対してやったわけだからね」。
そんな彼のアートワークが渋谷のある壁面に大きく施されているのだが、日本の代表的な怪獣”ゴジラ”を彼は選んだ。理由を尋ねると、「今回が初めての訪日で、作品を作ったんだ。日本文化は俺が幼少期から感銘を受けているものでもあって、その中でもゴジラは魅力的で興味をそそられるんだ。理由としてはゴジラがなんの象徴なのかっていう事実やコンセプトが、影響を与えている。この壁画のアイデアは、割と最近インスピレーションを受けているんだ。このアイデアは渋谷にとって適切だとも思っているんだよ。ちなみに、今回この壁面にアートワークを施した手法は新しくて実験的なんだ。いつもは手で直接描くフリーハンドっていうのを取っているんだけど、ロンドンにある医療施設のレントゲンの機械を特別に貸してもらってそれを拡大出力したんだ。みんなにも見てもらいたいな」。

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SHOK-1 壁画
東京都渋谷区宇田川町10-1

イギリス出身のストリートアーティスト。フリーハンドでスプレーで描くX線を彷彿とさせるアートワークが特徴的。また80年代初頭にアメリカで爆発的に普及したストリートカルチャーを、ヨーロッパにいち早く取り入れ世界的に重要なアートムーブメントを築いた重要人物の一員でもあるストリートアーティスト。また、アートコレクターとしても知られるミュージックプロデューサーのSwizz Beatzが昔から彼の作品のファンであったため、今回Ballyとのコラボレーションに至った。

 

 

 
Photo_KAZUMA SETO (horizont)