GRIND (グラインド)

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Interview with
Tyler, the Creator

最先端を発信し続ける男
タイラー・ザ・クリエイターの
クリエイティブ哲学と今を探る

EVENT FASHION INTERVIEW MAGAZINE MUSIC 2017.11.15

「俺はいつだってDIRTYさ」。
彼のリリックなどでも良く使われる”ダーティー”は、自身が1番好きな言葉であると話す。
ニュアンスを恐れずに言えば、ダーティー=時代に流されない、ブレない男だという事だ。
これだけ音楽が細分化され時代の流れが早い現代において、
音楽もファッションも”ぶれずに進化”し続けるタイラーには、唯一無二の個性がある。
彼は元々スケーターであり、2007年にLAで発足したスター軍団
オッド・フューチャーのリーダー格として注目を集めてきた人物。
そのオッド・フューチャーのメンバーで言えば、グラミー受賞シンガーのフランク・オーシャンや、
ジ・インターネットのシドなどが在籍する。そんな刺激的な環境の中、
積極的に様々なプロジェクトをタイラーは個人の活動として行っている。
昨年では自身が手掛けるファッションブランド、GOLF Wangをショー形式で行い、
スケートやダートバイクを取り入れた、タイラーらしい演出で表現。
2012年から開催し続けているLAの野外音楽フェス(CAMP FLOG GNAWカーニバル)は、
スケート、ライブ、遊園地など彼のルーツと新しいアイディアが詰まったコンテンツが目白押しで、
新しい音楽フェスの形を形成した。今年は、水曜日のカンパネラが日本人として初めて出演し話題を呼んだ。
さらに<コンバース>とのコラボコレクションを8月に発表するなど、
クリエイティブの幅を様々な範囲に広げている。そんな彼のクリエイティブはどのようにして生まれるのか。
タイラーが今考えている事とは?本人がGRINDのオフィスに遊びに来てくれたので、話を聞いた。

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LAを拠点に活動するオッド・フューチャーのリーダー。2007年に個人名義で、デビューアルバム『Goblin』を発表。そのミュージックビデオでは、ゴキブリを食べるパフォーマンスを見せるなどして話題を集める。2012年には、LAのストリートフェス「CAMP FLOG GNAW」を開催。近年では、自身のアパレルブランド「ゴルフワン」を手掛けるなどファッション業界との親和性も高い。

 

 

“俺は変化しない。進化する。”

音楽製作について

 

 

 

ーー7月に新作を発表しましたが、どのような内容になっているのでしょうか?

前のアルバムから約2年以上かかったね。退屈だった事も多かったけど、その退屈の時間もいい意味でクリエイティブに繋がった。これは自分の中では新しい発見だったよ。1人で多くの時間を費やす事によって製作に集中できたんだ。だから全ての曲が自分の実生活に基づいた濃い内容になっているよ。

 

ーー今回のアルバムでもそうですが、スペシャルなゲストが沢山参加していています。今セッションしたい人はいますか?

エイサップ・ロッキー、フランク・オーシャン、スティーヴ・レイシーなど新しいアルバムには頼もしいゲストがたくさん参加してくれた。セッションしたいのは、リック・ロスかな。この前声をかけたんだけど、実現できなかったのが残念だった。

 

ーー歌詞はいつもどうやって書いているのでしょうか?

曲作りの始まりの時間はほとんど和音のセッティングをする。その段階で俺が伝えたいと思うフレーズを幾つかまとめてみて、1行の文で1曲が生まれてくる。それで”911 Call Me Sometime”が丸々一曲完成したんだ。これは新しい試みだったね。

 

 

CAMP FLOG GNAWカーニバルについて

 

 

 

ーーCAMP FLOG GNAWカーニバルは、そもそもどういう経緯で?

Camp Flog Gnawは、もともとファーストアルバムと合わせてやりたかったんだ。最初フェアファックスでブロックパーティーをやろうと思ってたんだけど許可が降りず。それで他の場所を探しに行った先に見つけたのが、LAのエクスポジュション公園だった。ライブはもちろん、スケート出来る環境や遊園地みたいな乗り物があったら面白いなと思って、初年度は1400人が参加してくれたんだ。いつのまにか数年で70000人が集まり、今では最高のフェスになっていて、本当に皆に感謝しているよ。

 

ーー今年、水曜日のカンパネラが日本から入っていると思いますが、彼女たちのどういう所に惹かれたのでしょうか?

何より彼女のエネルギーに圧倒されたんだ。彼女のようにクリエイティブで、インスピレーション溢れるアーティストが今年は特に必要不可欠だった。後、彼女のヘアースタイルは最高だよね。今回は特に、現地の皆が知らないような才能溢れるアーティストに沢山出てもらった。ここで色んな事や人がクロスオーバーする事で、新しい何かが生まれると良いなと思ってる。カーニバルは安全地帯の外から踏み出す開放的な場所であってほしいね。

 

 

ファッションについて

 

 

 

ーー8月には<コンバース>とあなたが手掛けるアパレルブランド”ゴルフワン”のコラボスニーカーを発表しましたね。これは新しいアルバムをインスパイアした物になっているのでしょうか?

そうだね。アルバムからインスパイアされたコレクションになっていて、特に色に拘ったよ。この数ヶ月前からクリーム、ブラウン、破壊されたコバルトブルーの色に夢中になっているんだ。

 

ーー2017 AWのGOLF WANGはどのようなコレクションになっていますか?

進化し続ける事。それが常に頭の中にあるんだ。今シーズンはそれを本当によく反映できたと思います。目にするものすべてがクリエイティブに繋がった。例えば食べるものから、アートまで。とにかく視野が広くなった気がするよ。心の中に明確なビジョンやスタイルを持っていれば、恐れず新しい事に挑戦できると思うんだ。ただそのビジョンが無ければ、進化ではなく変化になる。俺はいつだって進化したいと思ってるよ。

 

 

流行りの音楽やファッションを追うのではなく自分のものにする。そして常にオリジナルでいる。自分にしかできないことを研究し続けることが、ブレずに新しいものを発信できるタイラーのやり方だ。5年後は「ラ フェラーリに乗り、第2の映画製作、NYかTOKYOに3店舗目のGOLF WANGを作りたい」と話していた。タイラーの飽くなき探究心は、ずっとこの先も続く事であろう。今後も彼の動向には目が離せない。

 

 

 

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Camp Flog Gnaw Carnival

2017年のカーニバルは、エイサップ・ロッキー、ジ・インターネット、ソランジ、ミーゴズなど豪華な面々が参加。今年は日本人として初めて水曜日のカンパネラが参加した。

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『FLOWER BOY』

約2年ぶりとなる自身4枚目の最新アルバム。本国ではキャリア史上最高の全米ビルボード・チャート初登場2位を獲得するなど、進化したタイラーを感じる事ができる。

 

 

 

Photo_Kento Mori