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Paris Men's Fashion Week Report

スタイリスト高橋ラムダのパリコレレポート

FASHION 2017.03.04

今年1月のパリ・メンズ・ファッション・ウィークにて「PIGALLE(ピガール)」と「JULIUS(ユリウス)」のスタイリングを担当した高橋ラムダさんに、現場に携わったからこそ感じた2ブランドの魅力を語ってもらった。それぞれのブランドの熱意を知ると同時に、単なる洋服作りを越えたファッションの奥深さを感じ取ってほしい。

継続するすごさっていうのを
改めて感じました

ーー仕事としてパリコレに関わるのは何シーズン目ですか?

今回が2シーズン目です。

ーー今回のパリはどうでした?

寒かった(笑)。仕事でこもっちゃってたのもあるけど、出歩かなかったから、あまりパリコレ全体がどうのこうのってのはないです。

ーー今回担当された2ブランドのスタイリングに関して、パリコレを意識した部分ってありますか?

それはないかな。パリを意識するっていうよりは、デザイナーさんたちの意見をしっかりヒアリングして、それをどう具現化するかってことを意識してたから。無理に自分の個性を出したりもしなかったです。

ーースタイリングを担当された「ピガール」と「ユリウス」って、改めて考えるとかなり対照的ですよね。

そうだね。洋服ももちろんそうだけど、ショー自体も真逆だったよね。「ユリウス」は日本からチームを引き連れて、各パートにプロフェッショナルがいる感じでさ、フィッターも20人くらいいて、当日も全然焦らなかったんだよ。かたや「ピガール」は前日くらいまで洋服を作ってる(笑)。でもステファン(ディレクター)はすごく演出が上手だから、まるでお芝居の世界みたいなクリエイションができるんだよね。あの表現力はすごいと思う。ショーの時のお客さんの入れ方も違うじゃん。「ユリウス」はメディアやディーラーの人たちをスムーズに入れられるんだけど、「ピガール」は家族とか近所の人たちから入れていくから結局みんな入れなくてクレームが出たり(笑)。あらゆる面で対極な2ブランドから自分が必要とされてるのは不思議だけど嬉しかった。

ーーそんな対照的な2ブランドからオファーされた時、自分に何を求められていると考えましたか?

「ユリウス」は当日の現場をまとめるリーダー役を任命された感じかな。と言うのも、お互いに仕事を重ねて信頼関係が深まって来て、もの作りの段階から関わらせてもらえたのが大きかった。例えばハーネスや、オレンジやピンクやパープルみたいな今までにないカラーリングを作ってくれたり、僕がスタイリングしたい環境を整えてくれたからこそ、当日はフィッターさんたちの気を引き締める役に徹することができたと思います。当たり前だけどスタイリングしやすかった。

ーー「ピガール」はどうでしたか?

さっきも言ったようにステファンは演出がとても上手な反面、逆に洋服作りの勉強をして来たようなプロではないんだよね。だからこそ奇想天外な洋服が作れるんだけど。本人もそれを分かっている分、スタイリングに関してはかなり任せてくれていたので、やりがいもあったし光栄でした。

ーー仕事としてパリコレのショーに関わって、改めて感じる魅力や難しさはありましたか?

「ピガール」や「ユリウス」みたいに何シーズンもパリコレのショーを続けるには、ただ洋服を作ってるだけじゃ無理なんじゃないかな。「ユリウス」はデザイナーさんが元々グラフィックデザインの人で、社長さんも元バンドマンでさ、だからこそBGMからDJまで全部自分たちで見つけてきてブッキングできて総合的に独自の世界観を作れるすごさがある。「ピガール」はステファンが演出に長けているのと、何より地元のヒーローっていうのが大きいかな。彼は学校も行ってないけど、パリの不良たちや貧しい環境の子たちに、ファッションでここまでやれるんだぜっていうのを見せてるんだよね。その気持ちがあるから続けられるんじゃないかな。

ーー最近は日本のブランドもパリを初め、どんどん海外進出に挑戦していますが、ラムダさん自身もそれを応援したいという気持ちはありますか?

あるけど、金銭的にすごく体力を使うことだから、みんな挑戦したらいいよと簡単には言えないよね。でもやっぱりパリコレはファッションブランドにとって1つのゴールだと思う。もちろんブランドのイメージによってはニューヨークに行くべきだと思うけど。それにゴールとは言え、一度ショーをやっちゃうと毎シーズン異なる表現を求められて、ショーの場所も変わるわけで、そこがゴールではなくなるんだよね。そんな厳しい環境の中で継続するすごさっていうのを今回「ピガール」と「ユリウス」のショーに関わらせてもらって改めて感じました。

 

Favorite looks of “JULIUS”

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Favorite looks of “PIGALLE”

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TEXT_YOHSUKE WATANABE