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Interview with
OH HYUK(HYUKOH)

ラフ・シモンズからも認められた
世界基準の若きミュージシャン
オ・ヒョクにインタビュー

FASHION INTERVIEW MAGAZINE MUSIC 2017.11.20

2014年に結成した韓国発、いやアジア発の4ピースロックバンド、ヒョゴ。
そのボーカルであり、シンガーソングライターとして活躍する
オ・ヒョクが最新アルバム『23』を引っ提げ、去る10月に来日した。
ちょうど1年半前、我々は彼を知り興味を抱いた。
韓国出身のミュージシャンと言えば、ビッグバンなどに代表される
いわゆるK-POPアーティストたちが挙げられるが、
彼らとは一線を画す出立ちが印象的だった。ちょうどその頃、
2ndミニアルバムに収録されている「Comes And Goes」を耳にした。
リズミカルなロックサウンドに、ソウルフルな歌声で程よくキャッチー。
韓国語と英語が混じった歌声はもの凄く心地よく新鮮で、
その音楽を耳にした瞬間一発で惚れた。彼のファッションを見ると、
デヴィッド・バーンばりの肩パッドジャケットに、
<ヴェトモン>、<ゴーシャ ラブチンスキー>、
<シュプリーム>などの服をセンス良く身に纏い、
益々虜になっていった。最近では、ラフ・シモンズ本人から
直接連絡を受け、<カルバン・クライン>のショーにも招待されるなど、
世界のファッションデザイナーからも注目を集めている。
今回、<カルバン・クライン>側からオファーを受け、
オ・ヒョクのインタビューを敢行した。
彼は何を大事に音楽を作っているのだろうか。
彼の作る音楽とは。

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韓国のアンダーグラウンド文化発信基地、ホンデ(弘大)出身のロックバンド、ヒョゴ。そのボーカルを務めるオ・ヒョク。韓国で生まれ、生後5ヵ月から18歳まで中国で育つ。

 

Vintageのジャケット、Cody sandersonのネックレス/ともに本人私物、
Calvin Klein Jeansのタートルネック/カルバン・クライン カスタマーサービス TEL_0120-657-889

 

 

“説教くさいメッセージは書かない
自分の生活をありのまま詩にする”

ーー今年6月に新しいアルバム『23』を出しましたね。前回よりもロックバンドであるという強い意思や、アルバム全体を通して力強さを感じました。どういうイメージで作られたのでしょうか?

 

「前のアルバムではまわりの関係性、感情についてを書きました。曲を聴いてくれた皆から、あなたは凄くユース(青春)を書いているねと言われたんです。僕はそれを意識していなかったのですが、自分が青春の中にいるからこそ、そういう詩が思い浮かんだのだと思います。今回の新しいアルバム『23』では、よりユース(青春)を全面に出して、書こうと思いました。そのユースというのは、2つの側面があると思うんですね。1つは、眩しく、明るく、恐れを知らないこと。もう1つは、先がある事を知っていて、空虚、むなしさがあると思うんです。特に 後者のほうを今回はまとめて詩に書きました。中でもアルバムらしさが1番強いのは「TOM BOY」。このアルバムの意味を最も表している曲だと思いますね」。

 

ーーなるほど。ユースの2面性を描いたアルバムという事ですね。アルバムの中に「TOKYO Inn」という楽曲がありますが、東京をコンセプトに作られたのでしょうか?

 

「この曲を書く前、韓国でメンバーと大喧嘩して精神的にかなり落ち込んでいました。凄く空虚感に襲われ、東京の街に逃げたんです。東京の大都会を1人で彷徨いました。その時に書いた曲なんです。どの曲もそうですが、僕はメッセージやコンセプトを意識して入れることはありません。僕個人の物語をありのままに書いているので。些細な事でも咀嚼したりする事が好きなんです」。

 

ーーそれで言うと、アルバムのジャケットのアートワークも、その歳ごとの日常を描いているという事でしょうか?

 

「そうですね。最初のアルバム『20』を出す前、ジャケットのデザインをどうするか考えた時に、写真の場合バンドのイメージが良くも悪くもそのまま出てしまいますよね。最初のアルバムでは韓国語だけで歌っているのが1曲しかないんですが、それは韓国出身のバンドというイメージがつくよりも、グローバルな意識があったからなんです。そういう意味でも、写真ではなくアートワークで表現したいと思っていました。アルバムのタイトルは 作った時の年齢なんです。自分自身 の日常を詩にするので、その当時の 日常や感情が全てアートワークとして表現されています。このアートワークは芸術学校に通っていた頃の先輩 に毎 回 書いてもらっていて。音 楽が出 来たら彼に聞いてもらい、イメージを伝えて、自由に書いてもらってるんです。アルバムは『20』、『22』、『23』と実は絵が全部繋がっているんですね。絵がだんだん作る度に増えていって、将来大きな1つの絵になったら良いんじゃないかって」。

 

ーーロックバンドでありながら、色んな音楽ジャンルの要素が入っているように感じます。影響を受けたアーティストはいますか?

 

「音楽を初めた中学生の頃は、R&B、 SOUL、BLUESなどブラックミュージックを中心に聞いていました。その後は、ビートルズや、ザ・ホワイテスト・ボーイ・アライブなど、ジャンル問わず色んな音楽に影響されてきました」。

 

ーー最後にあなたのファッションスタイルについてお聞きしたいです。ご自身の中で、洋服選びの基準や、スタイルのルールはありますか?

 

「前はルールみたいなのがあったのですが、最近は特にないですね。今はヴィンテージの<ヘルムートラング>など、ハイブランドヴィンテージに興味があってツアーでも着てたりします。東京に着た時には必ずLAILA TOKYOに行きますし。あとラフ・シモンズがクリエイティブに入ってからは、<カルバン・クライン>が好きになりました。コマーシャルキャンペーンのヴィジュアルも昔から変わらず拘りがあって、凄く共感できます。着るブランドは、ハイブランドからストリート、ヴィンテージまで幅広く好きですね。ハイブランドも ストリートブランドも同じ価値で見るし、そこにルールはないですね」。

 

ここ数年あまり見られなかったファッションと音楽の両方が備わったミュージシャン。しかもそれがアジアからだから感慨深い。ブランドの価値、音楽ジャンルに何の隔たりもなくフラットに見る事ができる。その感性こそが、彼のクリエイティブの原動力となっているのだろう。アジア人が世界の大型フェスでヘッドライナーに選ばれる日も、そう遠くはないだろう。

 

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Vintageのジャケット、self-productionのTシャツ、xander zhouのパンツ/以上すべて本人私物

 

 

Discography

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『20』

 

 

2015年にリリースした、1stミニアルバム。20歳の時に製作したもので、既に入手困難となっている作品。2015年の韓国年間ダウンロードチャートでは、デビュー1年で4位と大健闘した。

 

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『22』

 

 

『20』と同時発売したミニアルバム。人気楽曲「Comes And Goes」もこのアルバムに収録している。2つのミニアルバムを引っ提げ昨年のサマーソニックにも出演を果たした。

 

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『23』

 

 

ミニアルバムをリリース後、長い年月を経て今年6月にフルアルバムを製作。ロックンロール調の軽快な楽曲から、オ・ヒョクのソウルフルな歌声を活かした感情的なバラードまでを収録した1枚。

 

※「20」「22」「23」3作品の日本ライセンス盤はトイズファクトリーから発売中。

 

 

 

Photo_KENTO MORI