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DENHAM × ATELIER RESERVE
@DENHAM GINZA SIX

<デンハム>とのコラボで話題のアーティスト
「アトリエリザーブ」とは何者か?

ART EVENT FASHION INTERVIEW MAGAZINE STORE 2018.05.01

<デンハム>の設立10周年アニバーサリーイベント「A DECADE OF DENHAM」の
第三弾として展開されたプロジェクト「DENHAM × ATELIER RESERVE」。
「アトリエリザーブ」がオープン1周年を迎えたデンハム ギンザ シックスに来日し、
コラボレーションの魅力が伝わるインスタレーションを実施。あわせてコラボプロダクトも販売された。
これに際し、アトリエリザーブをインタビュー。今回のプロジェクトやデンハムとの関係性、
自らのクリエイティビティについて語ってもらった。

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“異なる文化をハイブリッドで表現するのが自分たちの表現”
ーAlljan Moehamad

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“本心から作りたいと思うものをクリエイトしていきたいんだ”
ーDeyrinio Fraenk

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<デンハム>スタート時から関わり
今でも友人として繋がりを持つ

ーー日本に来るのは初めてですか?

 

アルジャン・モハメッド: ああ。まだ到着して1日半くらいしかいないけど、夢の国みたいだね。コーヒーを買ったときに、iPhoneを忘れて行っちゃったんだけど、誰にも盗られることなく、ずっと同じ場所に置いてあったからね。オランダじゃ考えられないよ、ハハ(笑)!

 

デリーニオ・フランク: そうだな。皆、礼儀正しいし食事も美味しい。もう帰りたくないくらい。それに、ただ旅行で観光に来たのではなく、ビジネスで来れたのが嬉しいね。

 

ーー今回は<デンハム>のイベントプログラム「A DECADE OF DENHAM」の一貫として、2人は来日したわけですが、ブランドとの繋がりは?

 

アルジャン・モハメッド: ジェイソンが<デンハム>がスタートするときからの付き合いだから、もう10年くらいになるかな。最初はフォトグラファーとして関わっていて、徐々にアーティストとして関係するようになっていったんだ。ジェイソンとは、いつも何気ない会話をしたり、冗談を言い合ったり。相談し合うこともあるし、今でも彼の写真を撮ることもある。非常に親密な関係を続けているよ。

 

デリーニオ・フランク: 僕らが活動するうえで、工場やサプライヤーを紹介してくれたりする。本当に良い友人関係を築けているんじゃないかな。

 

ーー<デンハム>の創設者、ジェイソン・デンハムはどんな人物ですか?

 

アルジャン・モハメッド: 僕らにとってとても大切な人だ。例えば今回の件にしたって、わざわざ正式にアトリエリザーブにオファーしてくれたんだ。友人なんだから改まって連絡してくれなくてもいいのにさ。でも、このことは彼の性格をよく表しているんじゃないかな。寛容な人間だよ。

 

ーージェイソンはアーティストとしてアトリエリザーブのことをしっかり評価しているんですね。

 

アルジャン・モハメッド: もしかしたら、ジェイソンはかつての自分自身を見るように、僕らのことを見ているんじゃないのかな。自分が<デンハム>をスタートさせた頃とアトリエリザーブの状況が被るのかもしれない。今や<デンハム>は世界的な規模で事業を展開しているわけだからね。たまに『(アトリエリザーブは)今のままやっていった方がいい。僕も昔に戻りたいよ』なんてことも言ってきたりする(笑)。彼は、より視野を広げてブランドを運営していかなくてはならない立場だから、僕らとは違う悩みを抱えているだろうね。

 

ーージェイソンとアトリエリザーブの10年という友人関係のなかで、印象的な出来事は何ですか?

 

アルジャン・モハメッド: そうだな……。<デンハム>が展開している「House Guest Artist」っていうコラボ・プロジェクトがあるんだけど、わかる? 毎シーズン様々なアーティストが参加しているんだ。例えば<アート・カムズ・ファースト>とか。あれは僕とジェイソンとの間にあった”とある出来事”によってスタートしたんだよ。

 

ーーどんな出来事があったんですか?

 

アルジャン・モハメッド: 彼とビーチでバカンスを楽しんでいたときの話なんだけど、そのとき僕はスカルのグラフィックが入ったTシャツを着ていたんだ。自分がデザインしたものではなかったんだけどね。そしたらジェイソンが『そのTシャツ、すごくいいね』ってことを言ってきてさ。「じゃあ作ってあげるよ」って彼のためにTシャツをデザインしてあげたのが「House Guest Artist」のはじまりなんだよ。もうけっこう昔の話だけど。

 

 

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控えの選手でもチームに必要
リザーブドはそんなイメージ

ーーそれは興味深い。では、アトリエリザーブについて教えてください。どのような経緯でスタートに至ったんですか?

 

アルジャン・モハメッド: 僕らはもともと友人で、デリーニオがデザイナー、僕がビジュアルアーティストとして活動していたんだ。2人で話したときに、何か美しいもの作りをやりたいってことになってユニットになったんだよ。それまで個々にやっていた仕事を組み合わせる形でスタートしたんだ。

 

デリーニオ・フランク: それぞれ異なる方法でクリエイションしていたものが、1つのチームになったことで、より表現の幅が広がったと思う。得意分野が違うから、互いに良い刺激を与え合えるしね。

 

ーーユニット名のアトリエリザーブの由来は?

 

アルジャン・モハメッド: ”リザーブ”という言葉には控えという意味があるだろ? フットボールで言うところのベンチを温めているプレイヤーだとか。1番手じゃなく2番手を指している。でも、ベンチに座っている選手だって、そのチームにとっては重要な存在なんだ。そういうイメージで”リザーブ”というワードをセレクトしたんだ。

 

デリーニオ・フランク: 自分たちが最前面に出て主張するというわけではなく、控えのような存在であっても、自分たちが本心から作り上げたいと感じるものを表現したい、という意志が込められているのさ。

 

ーーアトリエリザーブとして表現したいものは?

 

デリーニオ・フランク: 僕らは古い生地や、服を作った後の切れっ端になった生地が好きで、それを用いて何か新しいものを作り上げたいという気持ちがあったんだ。すでに完成されているものではなく、まったく何もないところから作り上げていくのが僕たちのやりたいこと。商業的なデザイナーではなく、アーティストとして表現していきたいと考えているよ。

 

ーー2人がインスピレーションを受けているものは何ですか?

 

デリーニオ・フランク: 日本やアジア圏の文化から生まれるものにはとても影響を受けているよ。例えば、ヨウジヤマモトや山本寛斎などの偉大なファッションデザイナーたちであったり。まだ会ったことはないんだけどね。アジアの伝統的な文化も興味深いよ。それを自分たちらしく現代的に昇華させてクリエイトしていきたい。

 

 

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HIPHOPのサンプリングと
感覚的には通じるものがある

ーーファッション以外のカルチャーから影響を受けることはありますか?

 

アルジャン・モハメッド: 音楽からもすごく影響されているよ。いつも何かしら音楽をかけながら作業しているしね。例えば、HIPHOPとか。カニエ・ウェストはよく聴いているかな。フィル・コリンズやクラシックも。その日の気分で、聴く音楽も変わってくるし、その音楽によって制作するものが変わってくるくらい、音楽は強い影響力を持っているよ。

 

ーーアトリエリザーブが作るものにはHIPHOPにおけるサンプリング的な文化を感じます。

 

アルジャン・モハメッド: 近いものがあると思うよ。カニエは60、70年代の音楽をサンプリングして新たな音楽を作っているし、リリックにおいても社会に訴えかけるメッセージ性が強いものがある。僕たちが作り上げている作品も、古い生地を使ってクリエイションするということを、多くの人に伝えたいと思っているから、表現手法やメッセージ性、という点において繋がる部分があるかもしれない。デリーニオなんて、カニエをかけると一緒に歌いながら作業するしね(笑)。

 

デリーニオ・フランク: そうだね(笑)。

 

ーー今回のイベントでも、虎のモチーフや着物のディテールを使ったものがありますが、これは日本でのインスタレーションを意識したものですか?

 

アルジャン・モハメッド: いいや、それは違う。僕らが作っているのは西洋と東洋の文化を掛け合わせた表現なんだ。デリーニオが着ているジャケットを見るとわかりやすいと思う。ボディはミリタリーJKTで西洋文化が発祥元だけど、バックには虎の刺しゅうを施している。虎と刺しゅうは東洋のカルチャーだろ? 今回のイベントを意識したデザインではなくて、これが僕らのオリジナリティなんだよ。

 

デリーニオ・フランク: あとは袖や一部のボディなどパーツ毎に異なる生地を組み合わせているんだよ。こういう風に、異なる目的で製作されたものを組み合わせて表現しているんだ。

 

アルジャン・モハメッド: 2つの異なるカルチャーを組み合わせたハイブリッドな表現で新しいものを作り上げているんだ。

 

ーー<デンハム>と言えばデニム。インスタレーションでもデニムを使用していますが、その素材の魅力はどんな点にありますか?

 

デリーニオ・フランク: デニムは経年経過によって、より魅力を発する生地。着れば着るほどに味が出てくる。そこがいいね。ペイントしたり洗いをかけてもいいしね。

 

アルジャン・モハメッド: 普通の洋服は徐々に劣化して着れなくなるのが目に見えているのにデニムはどんどん美しくなっていくし、傷が入っても魅力的だ。レザーも同様かもしれないけど、着る人のストーリーを伝えてくれるものだよね。僕らも同じかもしれない。年齢を重ねることで知識や経験が増えて磨かれていく。色んな表現をできるようになっていくんだ。

 

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デンハム ギンザ シックスの店舗入り口に設けられた特設スペースにて、アトリエリザーブのアルジャン・モハメッドとデリーニオ・フランクが手作業でリメイクやペイントを行なったワークショップ。<デンハム>のデニムなどのアイテムに、その場でアトリエリザーブのアートワークを施した。世界に1つしか存在しない自分だけのアイテムを、その場で作れるインスタレーションは、アトリエリザーブが表現するアートの魅力が存分に体感できるものであった。

 

 

 

PHOTO_Ryo Kuzuma(horizont)
TEXT_Ryo Tajima

INFORMATION

URL_http://www.denhamjapan.jp/